東京高等裁判所 昭和36年(ラ)384号 決定
しかしながら、原決定は本件訴訟につき管轄違を理由とする抗告人らの移送の申立を是認した移送決定に対する相手方からの即時抗告による再度の考案の結果右決定を取り消して抗告人らの移送の申立を却下したものであつて、このことは本件記録上明らかであるところ、管轄違に基く移送の決定は本来職権でなすべきものであり管轄違を理由とする移送の申立は職権の発動を促す意味をもつにとどまり当事者にはその申立権がないから(民事訴訟法第三十条第一項参照。)、たとえ右職権発動を促す意味での移送の申立を却下する決定がなされても、これに対しては民事訴訟法第三十三条による即時抗告をなすことができないと解すべきである。このことは、移送の申立を却下する決定が原決定のように再度の考案の結果なされた場合においても、なお同様であるというべきである。
したがつて、本件各即時抗告は不適法であるからこれを却下すべきものとし、主文のとおり決定する。
(川喜多 中田 賀集)